model: みんなのAI画像館
放課後の教室には、西日が長く差し込み、チョークの粉が光の粒子のように舞っていた。さやかの記憶にある高校時代は、いつもどこか埃っぽく、それでいて不思議と透き通っている。木の机に刻まれた落書きや、窓の外から聞こえる部活動の掛け声。あの頃の自分は、制服という決められた枠組みの中で、どうにかして自分だけの「特別」を探そうと必死だった気がする。
ある日、背伸びをして手に入れたばかりのTバックを、校則通りの地味なプリーツスカートの下に忍ばせて登校したことがある。それは、友人たちとお揃いのキーホルダーを付けるのとは違う、もっと個人的で、誰にも触れられない聖域のような冒険だった。教室でノートを取っている時も、廊下ですれ違う先生に挨拶する時も、布一枚の違和感が「私は自由だ」という小さな証明のように感じられた。
結局、その日の放課後、椅子に座り続ける落ち着かなさに耐えかねて、早々に帰路についたのも今となっては微笑ましい思い出である。大人の階段を一段飛ばしで登ろうとしたあの背伸びは、今の自分から見れば青くて、少しだけ眩しい。制服を脱ぎ捨てた今の私は、あの頃よりもずっと自然にそれを選び取っているけれど。教室の窓辺で感じたあの微かな緊張感は、今も心の片隅に、春の光とともに静かに積み重なっている。
















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